■夜行の魅力

ちょうど1ヶ月前、奈良へ七枝刀を見にいった。他の用事もなかったので泊まるまではないかな、というのと、Switch2の抽選があたり、再配達の日程を旅の翌日にしていたため、日帰りにすることにした。日帰りとなると、朝早くの新幹線か夜行バスかだが、圧倒的にバスが便利で経済的である。この初夏はただでさえ、恐ろしいお金の流出をしてしまっているからね。

調べてみると、今は夜行バスもいろいろとあって、眠る環境やプライバシーに配慮した構造の座席を各社が出していておもしろい。ドリームスリーパーというのがもはやバスなのに個室という、常識を覆した構成だが、これだと新幹線と大きく変わらないではないか!さすがに今回は見送った。

今回はウィラートラベルさんの、繭のように胸元あたりまでをつつむことのできる座席をえらんだ。通常の夜行バスと比べてだいぶ快適だったと思う。乗り込んで、繭のパーツを両手で引き下げる。幕。ここにVRなんかあったら遊べてしまいそうだなと思う。そのとき、過去に乗った夜行電車のことを思い出す。おそらく北海道に行ったかな。調べたら、今は期間限定で運行しているらしい、カシオペアという寝台特急だ。

小、中学生の頃だったと思う。電車に個室があるというのは新鮮で、非日常感があった。中での記憶はカードキーを紛失して大騒ぎしたこと以外は皆無にひとしいのだが、到着したあとの旅をさしおいて、すでに社内で高揚感をつくりだせていたことはすばらしかった。

朝起きると目的地についているというのも、RPGのようでよい。きまって降車したあとは晴れ晴れとして、目的地の景色もさわやかに見える。朝早く出発するときの街の静けさも趣があるが、それに負けず劣らず、夜行の旅の朝もすてきだ。

京都から移動し、朝8時頃の奈良公園の静けさにもおどろく。鹿もひとところにとどまり、じっとしていた。人もほとんどみられず、観光地になりきるまえの静けさがあった。ひとたび展示を見て戻ると10:30、観光冊子や映像でみられる「奈良公園」に戻っていた。鹿はこの後夕方までずっとせんべいを食べているのかななどと、余計なことを考えてしまう。観光地の「オフ」の状態をみられるのも、夜行のおもしろさかもしれない。

読んでくださり、ありがとうございます。朝、よかったでした。

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