◆冬の朝のこと

五時半。久しぶりに、この時間に文章を書いている。しかもスマホで。起きられない起きられないとあれだけ書いていたのに、しっかり外に出て、歩いて、電車に乗っているなう。この時間でも人が多くてちょっとうんざりしている。

義務的にやることがあると、起きられるのかもしれない。げんに今日は遠くへ行く。しかも、一人ではない。いろいろあって、両手で数えられない人数の旅に混ざることになった。旅に限らず集団行動は苦手で、一人のときは途中で旅程を変えることもある。それが許されない。緊張感は一人旅の百万倍だ。くすりを飲んだのになかなかねむれなかったのがその証拠である。

どうやら文章を書くのに、そこまでの緊張感はないらしい。とはいえ、今回の旅と同じ緊張感でまいにち文を書いていたら、疲れ切ってしまう。どこかですこし捉え方を変えれば、秋までのように五時半に起きて文章を書くことが、かないそうな気もする。じっさいのところ、脳はめざめている。日中より冴えているかもしれない。

それともうひとつ。冬のおしまいのころでも、五時半は暗すぎる。日の長いころとちがい、ふとんを出て活動する時間なのだとからだが認識できない。リビングの雨戸を開けても、太陽のけはいはない。外を歩いても、夜中とさほど変わらない。同居人が起きないよう寝室の扉をしめて、節電モードで電気をつける。そうそう、朝というのはこの明るさだ。こちらに関してはちからわざになるが、寒かろうと暗かろうと起きる意識がなかろうと、やるしかない気がしている。脳研究者の池谷裕二さんはその著書において「やる気はやらないと出ません」と書いておられる。やらねばという気持ちが先走ってあれこれ考えては眠ってしまう現状からして、池谷さんの書かれたことはどうやらほんとうのように思う。

生活リズムが整っている今、ここまでやりきる自信はない。しかし、そんなことではまたねむってしまう、たぶん。意識の変革を促すなにかが、今のわたしには必要だ。一度習慣化すれば崩せないたちなので、ここが勝負どころだ。

今日も読んでくださり、ありがとうございます。久しぶりにしゃきっとしたきもちで書けたような気がします。

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