前回の記事の続きで、食事のことを少しだけ。3つあるドーシャのうち、わたしはピッタが優勢なので、ピッタに関することが多くなる。アーユルヴェーダについては今、様々なサイトがあるのだけれど、いかんせん情報量が多く、どこをおすすめしていいのかわからない。こういうとき、本は情報がしぼってあるのでとっつきやすい。わたしは『アーユルヴェーダ食事法 理論とレシピ』という本を読んだ。
生活に取り入れてみて、好感触ならば手元に置いてもいいかなと思っている。実は、ほかにも何冊かあたってみたのだが、何も知らない状態から読める本はさほど多くなかったというのが正直なところだ。それにしてもほんとうに、すぐなにかをすきになってしまう。この熱っぽさもピッタ体質ならでは、なのだろうか……。
アーユルヴェーダの食事の思想について
食事のタイミング
ずばり「食欲のあるとき」だそうだ。まぁ、あたりまえといえばそうなのかもしれない。食欲のあるときのほうが消化もすすむという。食前に水を飲んだり、生姜をとったりするとより効果的(「消化力」を上げられる)らしい。
ただし、わたしたちはしばしば「偽りの食欲」に悩まされる。「食べたばかりなのになんだかおなかがすいているな」とか「おなかがすいている気がして食べてみたら案外そうでもなかった」とか、そういうことは少なからず経験があると思う。わたしはしょっちゅうある。なんと、この「偽りの食欲」の対処法も本には書いてある。5000年前のインド人の先読み力はすさまじい。おそろしさすら覚える。
その対処法はシンプルに「水を飲む」ことだ。水を飲んで満たされれば偽りの食欲だという。思い返せばたしかに、そういうこともあったかもしれない。食後のおやつをバカ食いしてしまうのはだいたいこれだと思う。わたしはそもそも、だいぶ意識しないと水分を摂らないので、気をつけたほうがいいかもしれない。
避けるべきもの・食べたほうがいいもの
アーユルヴェーダではドーシャとは別に、重性・軽性・油性・乾性・熱性・冷性といった性質(グナというらしい)があり、3つのドーシャや味(甘み・苦味・渋み等)ともリンクするようだ。くわえて「食事は心にも関わる」という思想があり、このあたりを軸にして避けるべき食べ物が書かれている。
まず、ドーシャの優劣に関わらず避けるべきものは以下の4つだ。
- 食べ合わせの悪いもの:本には牛乳×魚、果物など、牛乳関連が挙がっていた。考えてみればそうだなと思う。しかし古文書には「慣れれば平気」とも書かれているらしい←(?ゆるい……)
- 体組織の質を落とすもの:干物と乾物を常食しないとのこと。
- ドーシャを激しく乱すもの:ピッタ体質の場合、熟していない果実・腐った果実(!?)・揚げ物(昼なら「まぁ、いいよ」とのこと)
- 心を汚すもの:ラジャス(激性:熱っぽさ?)⇔サットヴァ(純粋性。よいもの)⇔タマス(暗性:怠惰っぽいイメージ)ということで
ラジャスに関わるもの:刺激物、アルコール、カフェイン、チョコレート、玉ねぎ、ニラ、そして早食いとある。
……なんかイメージはわかる。し、チョコレート以外は摂らないなあと思う。
タマスに関わるもの:腐ったもの、残り物、古いもの、缶詰、レトルト食品(これは5000年前にはないので、後付かもしれない)
……要は「楽をするな」ということなんだろうか?といいつつ、「残り物、古いもの」で作り置きを連想してしまった。しょうじき、多少味が変わっていても食べている日があったのである!そういうものを食べたとき、気持ちもたいがい萎えているのである!
ちなみに、サットヴァに関わるもの(よいもの)はミルク、ギー、完熟した果実、できたての食事である。ううむ、できたての食事……。急に「つくりおきやめます!」とは言わないけれど、ちょっと考え直してもいいのかもしれない。
次に、ピッタの優勢な人が避けたほうがよいものについて書く。ピッタを増やす性質は「軽性・油性・熱性」で、味は「酸味・辛味・塩味」らしい。これらを摂りすぎるとピッタが増えてしまうので「摂りすぎないようにしようね」とのこと。「摂るな」といわないやさしさ。
具体的な品目でいうとアルコール、カフェイン、牛・豚肉(鶏はOKらしい)、小麦、ナッツ類、揚げ物、煮込んだトマト(生はむしろ◎らしい)、酢(レモンとライムはいいらしい)、唐辛子、ニンニク、生タマネギなどなど。
いっぽう、食べるといいものは味でいうと「甘味、苦味、渋味」だ。避けたほうがいい食べ物と逆なので、理にかなっている。
具体的な品目は 野菜(生野菜はとくによいらしい)、完熟の甘い果物、ドライフルーツ、無塩のバターやチーズ、ギー、魚、鶏肉(なるべく控えるといいそう)などなど。
スパイスも体を冷やすもののほうがよいらしい。調べてみるとコリアンダー、カルダモン、サフランなど。カレーたべます。
カレー以外のことでいえば、たしかに我が家は薄味で野菜が多く、肉も鶏しか買わない。とはいえ、鶏は同居人の好みで魚はわたしの好み、野菜が多いのも、鍋を洗うのが動物性食品よりらくだからだ。全く異なった動機ながらも、だいたい望ましい食事をしている。大きく改善する必要がないのも「アーユルヴェーダ、いいな」と思った理由のひとつだ。食べることはすきなので、つらいことはしたくないのだ。
味のバランス
これは共通で「甘>塩・酸>辛・苦・渋」らしい。「甘」には砂糖や果実はもちろん、穀物や肉、魚が含まれているので、いわゆる和食の一汁一菜・一汁三菜で間に合う感じがする。
人間の味覚のなかで最後に残るのは甘みらしいが、「味のバランスの中でももっとも重要なのが甘みだからそうなっているのよ」……などと言ってみせるとすごく、それっぽい。同じ時代に似たような神話が発生していたように、医学にもそういった側面があるのかもしれない。中国の漢方もヨーロッパのハーブも、そういうかんじなのだろうか。
だからこそ、よその理論だからといってけんかをふっかけることもないのにな、と思うときがある。これも近代以降の自国第一主義が招いた悲劇なのだろうか……?
食べるときに気をつけること
たくさんあるので詳しい解説は抜いて箇条書きで。ちょっと、書くのにつかれてきた。
- 食事時間を決める。理想は7-8,12-13,18-19だが、無理せず自分のリズムで。
これは、時間によって優勢なドーシャが変わることに基づくようだ。 - 消化できる分(満腹の7割程度)を食べる。重いものを食べるときは5割程度にとどめると○
- 温かく、作りたてのものを食べる
これは本当に気をつけたい。 - 20分くらいかけて食べる(早すぎず遅すぎず)
- 怒りながら食べない
怒っていると味わえなさそうだ。 - 心を込めて調理したものを食べる
これは、ちょっとどうなのかな?と思っているふしがある。植物も動物もいきものなので、粗末にしていいとは思わない。以前、罵詈雑言を書きつくしたタッパーのごはんの劣化が速い、というツイートは見ていてだいぶつらかった。ごはん、めっちゃかわいそう。
とはいえ「料理は愛情、手作りが至高」という意見にも「ほんとにぃ?」と疑ってしまう。できればそれにこしたことはないが、できなくても愛情は表せる気がするのだ。 - 好きなものを食べる。満足感が大切
「アーユルヴェーダ最高!」と思ったのが何よりもこの項目。カレー食べます。 - 慣れたものを食べる
次点「最高!」項目。和食メインは変えずにいきます。 - 工程の多すぎるものはつくらない
これも「最高!」項目。何個「最高」があるんだよと、言いたくなるかもしれませんが、わたしはそういうやつです。
素材を加工すればするほど、そのもののもつエネルギーが少なくなる、とのこと。本には「たとえば和食なら酢豚など」とあったが、酢豚は和食だった……?本場の中国料理ではないのかな。 - 味のバランス+油を少しとる
上項目参照。+旬のものを食べる。
アーユルヴェーダは、生活の仕方や瞑想などもふくんだ概念だ。ただ、今回は食事のことだけでいいと思い、食事に特化したものを読み、まとめた。
ひとによって必要なものや、やりたいこと・やりたくないことは違う。わたしはカレーがだいすきで、食事でがまんをするのは絶対にいやで、現状から大きく変化するのもいやだった。加えて、オリエンタルなものがむかしからすきで、アーユルヴェーダにたどりついた。だからといってとらわれすぎることなく、ゆるやかに取り入れながら過ごしていきたい。これを学んだあとにさっそくインフルエンザになってしまったのだけれど、気を取り直して2020年をはじめていこう。
読んでくださり、ありがとうございます。インドカレーの導いてくれたアーユルヴェーダです。カレー最高。スキ。
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